馬鹿でも分かる『TENET』
『TENET』を観ました。
賛否両論が激しい映画ですが
否定側の主な意見が
「よく分からなかった」
というものが大多数を占めていました。
この映画は
"今"の自分には理解できないけどめちゃくちゃ面白い事が起こっていた事を"後から"理解する映画
なのでそこの理解を諦めちゃうと全く訳のわからない映画で終わっちゃうんですよね
それだとあまりにも勿体ないと思ったので今回個人的に映画をややこしい点にだけ絞ってめちゃくちゃ分かりやすく文章にしてみようと思いました。
他の解説より大分理解しやすいと思います(個人的に)
ここから先ネタバレありです。観ていない人は自己責任でお願いします
この映画を理解する上でのポイントを2点、先に説明します。
・回転ドアの仕様
回転ドアには大きく分けて2つの使い方があって
①順行→逆行に入れ替わる
②特定の時間に移動する(タイムマシン)
②の使い方は逆行した後、自分が決めた時間まで待って順行の世界に戻る事で可能になります。
主人公達は何度も②の使い方をしていますがカーチェイスの後、セイターに撃たれたキャットを回復する為に過去のオスロ空港に戻る
というシーン以外は殆どカットされています。
・必ずしも「未来からやってきた=逆行」ではない
逆行している人間は、順行の世界で呼吸が出来ない為必ずマスクをつけています。
未来からやってきて順行の人間も多数存在しているので「マスクをつけている人間は逆行」と理解するとカーチェイスのシーンがわかりやすくなります。
※カーチェイスはややこしくなるのでまた後述します
今回の解説は
特にややこしくなる4点に絞って説明したいと思います。
❶オペラハウス
❷オスロ空港
❸カーチェイス
❹スタルスク12(最終決戦)
❶ オペラハウス
最初のオペラハウスの作戦では
①テロリスト
②テロリストを止める部隊
③混乱に乗じてプルトニウム241を回収する部隊(主人公)
④未来からやってきたニール(順行)
⑤未来からやってきたセイター達のスパイ(順行)
の5つの陣営に別れています。
ここでの主人公の目的はテロリストの攻撃を阻止する事では無く、混乱に乗じてプルトニウム241を回収する事でした。
途中、仲間達と全く同じ格好をした未来から来たセイター達のスパイによって逆行弾(主人公はここで初めて特殊な武器の存在を知ります)で撃たれそうになりますが、未来から来たニール(赤いストラップをつけた兵士)によって攻撃を免れます。
無事ミッションを果たした主人公でしたが、セイターのスパイに気付かず帰還してしまい、結局は捕らえられてしまいます。
(尚、この時プルトニウム241は警察の手に渡っていて、それが中盤のカーチェイスのシーンに繋がります。)
❷オスロ空港
セイターの妻、キャットに接触した主人公達はキャットから得た情報を元にセイターが通っている空港のフリーポートに逆行弾の手がかりがあると睨み、侵入を試みます。
(その時、妻キャットは自分が売りつけた偽の絵画を奪ってきてほしいと頼みますが主人公はこれを承諾するフリをして実際には逆行の手がかりを掴む以外の行動を起こしていません。)
最深部に辿り着いた主人公とニールを待っていたのは謎の回転ドアとそこから同時に出てくる2人の兵士でした。
この2人の兵士は未来から来た主人公(1人は逆行、もう1人は順行)ですが
逆行した世界から回転ドアに入るまで
と
順行になって回転ドアから出るまで
が順行の視点だと同時に行われる為に何もない空間から出てきた様に見えるのです。
(ちなみにここで未来の主人公は
未来で怪我をしたキャットを過去に連れてきて順行に戻す事でキャットの回復に成功します。)
❸カーチェイス
オペラハウスで警察が保管したプルトニウム241を奪還すべく主人公とニールは部隊を集め、無事護送車から奪還に成功します。
しかしそこに来たのは逆行のセイターと順行のキャットが乗った車でした。(この時点で主人公サイドはまだセイターが逆行とは気付いていません。)
このシーンで逆行(マスク)をしているのは横転した車に乗っていた主人公と車に乗り主人公達を脅迫していたセイターです。
そこに順行のセイターの手下も加わって主人公達は"時間の挟み撃ち"に合います,
最終的に逆行セイターに空のケースを手渡し、中身のプルトニウム241はそばにあった車(逆行主人公が乗る車)に投げ入れますが順行のセイター部隊に回収され、キャットは撃たれてしまいます。
セイターからすればキャットが撃たれたという結果だけが先にあり逆行して自分がキャットを逆打ちして回復をして車に乗せた後、主人公とカーチェイスの始まりの場所まで行くという若干無理がある展開がここに挟まるので余計混乱しやすいです。
(主人公達はキャットを直す為に❸のオスロ空港まで戻ります。)
❹スタルスク12
プルトニウム241を手に入れた事でアルゴリズムを完成させ、世界を自分の思い通りに消滅させる事が可能になったセイターは過去に戻りスタルスク12で爆発を起こして揃ったアルゴリズムを地中深くに隠す作戦にでます。
主人公達は時間の挟み撃ちで爆発を止めに行きますが特殊部隊リーダーのアイヴスと主人公だけは今回の作戦とは別の任務(爆発を起こしてセイターには成功させたと思わせるが、アルゴリズムはその前に奪い取る)を実行します。
主人公はアルゴリズムの目の前まで辿り着きますがその手前の扉には鍵がかかっていて開きません。
主人公も敵に銃をつきつけられ
作戦もここまでか…と思ったその時、扉の奥にいた赤いストラップをつけた兵士の死体が突如蘇り、銃弾から主人公を庇い、鍵を開けます。
主人公は謎の赤いストラップをつけた兵士のお陰でアルゴリズムを奪う事が出来たのでした。
一方ニールは主人公とは別部隊の逆行チームでこの作戦に参加します。
ニールは主人公とアイヴスの危機を見て作戦中に逆行から順行に戻り爆発から主人公達を救います。
作戦終了後、主人公はニールのバックに赤いストラップが付いている事に気づきます。
そして「鍵を開けるのに俺が必要だろ?」
とも
あの扉の奥の死体はこの後、逆行するニールのものだったのです。
(順行の主人公からは蘇った様に見えましたが
これから逆行するニールに待っているのは、鍵を開けて主人公が受ける代わりの銃弾を受けて死ぬ事です。)
ここでニールによってTENETという組織がどうして始まったかが明らかになります。
TENETは未来の主人公が作った事、自分は未来から逆行して過去に来ていた事、
俺にとっては数年前、君にとっては数年後
そしてニールは言うのです
「素晴らしき友情の終わりだな」
「俺にとっては始まりだ」
これで、解説を終わります。
※個人的解釈と記憶によるものなので間違っていたりセリフが違ったりしたらすみません
ニールの口癖「起こった事は仕方ない」
っていうのがこの映画を見終わった後に思い出すと爆裂に刺さるんですよね。
本当に色々気づいた後が面白い映画なのでもし良ければ2回目観に行ってみてください、、
俺も観に行きます。
一度観て「分からない」となっていた人の理解の手助けになれば幸いです、、、、。